NY州弁護士資格とCLE(登録から2年経過後の場合)

 



[NY州弁護士資格を取得された方向け]

NY州弁護士資格を継続していくためには、CLE(continuing legal education)を履修していくことが必要です。ただし、ご自分の弁護士としての活動が「practicing law in New York」に該当しないと証明できる方についてはCLEを履修する必要はありません。もっとも、この点、どのような基準で判断されるのかが定かではないため、私は念のため履修することにしています。

登録から2年経過するまでと、2年経過後とでCLEの履修条件がかなり変わるので、ここでは、2年経過後の履修条件について書いていきたいと思います(登録から2年までの履修条件については、こちらのブログをご参照ください。)。なお、ここで、2年間と言っているのは、登録日を起算点とした期間(CLE reporting cycle)です。資格の更新(再登録)の期間(attorney registration cycle)とは異なりますので、注意が必要です(資格の更新時期については、こちらのブログをご参照ください。)。

結論から述べると、2年間に24クレジットを取得する必要があるということで、そのうち、少なくとも4クレジットは、Ethics and Professionalismの分野で、また、少なくとも1クレジットは、Diversity Inclusion and Elimination of Biasの分野で取得する必要がある、となっています(公式サイトはこちら)。Diversity Inclusion and Elimination of Biasは、新しく設置された分野ですが、2018年7月1日以降に2回目以降の更新をする場合には、取得する必要がある、とされています。



表にするとこんな感じです。

2年間で必要とされるクレジット数 24

そのうち

Ethics and Professionalismで必要とされるクレジット数 4以上
Diversity Inclusion and Elimination of Biasで必要とされるクレジット数 1以上
Cybersecurity, Privacy and Data Protectionで必要とされるクレジット数 1以上

[1]

※Cybersecurity, Privacy and Data Protectionに関しては2023年7月1日以降の更新の場合



ありがたいのは、2年目までと違い、すべてのクレジットについて、研修の形態はなんでもよい、すなわち、インタラクティブでないオンライン研修でもよい、とされていることですね。

さらに、3年目以降の場合は、2年間にCLEを24クレジットよりも多く取得した場合、最大6クレジットまで次のreporting cycleにそれを持ち越す(carry over)ことができます。これは、分野を問いません。ですので、Ethics and ProfessionalismやDiversity Inclusion and Elimination of Biasでのクレジットも持ち越すことができる、とされています。

CLEは、認定された研修を受講することによってクレジットを取得する、というのが通常の方法ですが、以下の方法でもクレジットを取得できます。

  1. 法律の研究論文を執筆して公刊した場合は、それに費やした時間につき、50分ごとに1クレジット取得できます(2年間で最大12クレジットまで)。
  2. Pro bono活動をした場合は、それに費やした時間につき、120分ごとに1クレジットを取得できます(2年間で最大10クレジットまで)。

それぞれどのような活動内容であればよいのか、どのように証明すればよいのか、については、各自ご確認いただければと思います。また、CLEの研修の講師をするなどその他の方法もありますので、その点については、FAQをご確認ください。

このCLEについても、当初の2年間と同様に、次の更新時に履行したかどうかを自己申告することになっており、certificate of attendanceを4年間保存する義務があります。

以上、ご参考になりましたら幸いです。

(この投稿はあくまでも参考ですので、正確な情報については各自ご確認いただけましたら幸いです。)



[1] https://www.nycourts.gov/LegacyPDFS/attorneys/cle/17b-Rules-1500-22a-Cybersecurity-Experienced-Attorney-Requirement.pdf